SAYURI

公開終了直前のこの映画、やっと観る事ができた
女に生まれたが故に背負った過酷で哀しい運命
同じ女の私には痛いほど彼女の気持ちが伝わった
過去の自分、今の自分にオーバーラップした

貧しいが為に病に伏せる母の薬代にと、9歳で姉と共に売られる
さゆりは置き屋に器量の悪い姉は女郎部屋に
女だからそんな所に売られてしまう・・・
その母も父も相次いで亡くなり孤児となる

橋のたもとで泣いている彼女に立派な紳士が声をかけ
優しくかき氷を買ってくれ、お小遣いだとハンカチに包んで
お釣りをくれる

ハンカチを握り締めお稲荷さんへと走る
ハンカチだけを頂き、お釣りはお賽銭へ
「どうか、あの方にもう一度合わせてください」と
「会えるように芸者になりたい」と
まるで以前の私
私も彼に会いたいと必死に祈った

花町一の芸者に成った彼女を
金の力に物を言わせて手に入れようとする男達が現れる
着物をあげると呼び寄せて
着ていた着物を剥ぎ取る
震えて泣きながら「やめて・・」「お願 やめて」と懇願する彼女
好きでもない男に体など見られたくはない
それ以上はされなかったけれど
裸で畳に突っ伏して体を震わせて、泣く彼女に昔の自分を見た気がした

水揚げ
そう初めての男性を受け入れる事
それまでお金で売り買いされる
芸者の定めと受け入れ、観念した彼女がとても哀れだった
ただ、黙って返上を見つめて横たわっていた
ただ、ただ時が流れる事を願って
そうよ 女にとって愛してない男に身を任せる時は
ただ、ただ早く終えて欲しい それだけ

そんな女をなぜ、金の力に物を言わせ
或いは力づくで抱くの?
綺麗なら、魅力的などうしても欲しい
望んではいない、むしろイヤだと
思っている女を
男は心はどうでもいいの?

私はイヤ お金で男を買いたくない
私を抱きたいと思っていない男に抱かれたくは無い
男にプライドは無いの?


絶望と哀しみの淵にいた私に漬け込む男がいた
その男が私の始めての男だった
全く愛しては、いなかった


何年も何年も戦争やさまざまな出来事があっても
頂いたハンカチをずっと持っていた彼女
とあることから、もうあの方には会えないと

崖の上らか、ハンカチを風に飛ばした
夢と希望、心の支えをなくした彼女
静かに心が死んで何も感じなくなる
そう私には理解出来る
痛くも苦しくもない
でも喜びもなく生きたまま死んで行く
今の私がそう
もう明日への希望もなく
ただ、ただ生きているだけ

最後に願いが叶う
でも・・・・・
芸者の定め
「半分だけの妻」
「そう夜だけの妻」
「芸者の定め それ以上は望めない」と
私にも分かる
規制のかかった恋だった
これで十分といつも自分に言い聞かせていた
本当はそれ以上を望んでいた
でも、出来ない事と

最後に流れる
「これは女王でも女帝でもない 唯の芸者の物語です」と
みんなそれぞれのドラマを生きている
私の物語の新しい章は開くのだろうか・・・

愛する人と暮らしたい
一緒に生きて行きたい
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by GarnetMoonNight | 2006-02-03 17:58 | Movie